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★cafe@porin★

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☆いろいろ読みもの(2002)☆

いろいろ読み物

*一般小説、他ジャンルのわからない本をここに所蔵しました。
(2002年の感想です。)*


♪エンジェルエンジェルエンジェル♪ 梨木香歩(原生林)
現在を生きる主人公「こうこ」と過去を生きるおばあちゃんの「さわちゃん」の話が交互に入って進行します。少し不思議な話ですが、何となく切なさが残ります。(2002.9.8読了)
♪西日の町♪ 湯本香樹実 (文芸春秋)
少年の頃、母と二人で暮らすアパートに「てこじい」がふらりと現れた。祖父の生涯と死、母の迷いと哀しみが瑞々しく描かれています。とてもノスタルジックで僕が謎めいた祖父(てこじい)に魅了されていく姿がとてもよく描き出されています。「夏の庭─The Friends」で世界的に高い評価を受けた作者。久し振りの新作は芥川賞(127回)の候補になり、高い評価を受けました。(2002.9.30読了)
♪コスメティック♪林真理子(小学館文庫)
化粧品業界の広報で働く沙美、バブル後のキャリア女性を取り巻く現実に直面し打ちひしがれるが、決してあきらめない。「仕事でも恋でも百パーセント幸福になってみせる」そこから沙美の闘いが始まる。嫉妬、裏切り、不倫、引き抜き・・・これは事実の世界かと思うほどリアルに女の闘いを描いている。文句なしに面白い本です。主人公の沙美は目の前に何があっても何が起こってもただがむしゃらに走り続ける。決して屈服することはなく、強く、気高く、仕事も恋愛も全てを自分のものにしてステップアップしていく。キャリアウーマンの勝者みないな生き方だと思いました。(2002.10.31了)
♪カリナン♪春江一也(集英社インターナショナル)
カリナンとはフィリピンのミンダナオ島のダバオから南西40キロにある小さな街の名前である。この本の主人公・柏木雪雄は超エリートで銀行の幹部役員であったが、会社の不祥事で特別背任、詐欺横領の罪で刑務所に服役、出所後、自分の出生についてを探すためにフィリピンに立つ。この柏木とリンクして話に現れるのがダバオに住むフィリピン人の女性医師・アリシア。彼女の祖母と柏木との関係。父が記した黒い手帳の秘密。フィリピンへの日本人移民、戦争、そしてフィリピンの現状(ストリートチルドレンなどの問題)をするどく描いている。柏木とイナ(母親のこと)の再会は劇的だったが、そこで物語は終わらず、ストリートチルドレンや孤児、飢餓の問題を 救おうと立ち上がる柏木に不幸は訪れる。アリシアとのやっと芽生えた淡い感情も最後の悲しい結末によって胸がせつなくなる。作者は外務省入省後、在チェコスロバキア日本大使館、東西ベルリンの日本大使館などの勤務を経て、在フィリピン日本大使館参事官兼在ダバオ領事を務めた。著書に「プラハの春」「ベルリンの秋」がある。この日本とフィリピンの友好事情にとても詳しい作者が史実をもとにしたフィクションとしてこの話を書いている。 実際にどう日本人移民が生き抜いてきたかはわからないが、それは地獄だったかもしれない。結末といい、話の流れといい、神の思し召しと言えるような展開に胸が熱くなった。とても考えさせられる一冊でした。(2002.11.24読了)
♪ボランティア・スピリット♪永井するみ(光文社)
市民センターで開かれている外国人労働者向けの日本語教室を舞台に展開される様々な人間模様を、ミステリータッチで描いた連作集。これを読むと「ボランティアとは何ぞや?」と思ってしまう。偽善、悪意、様々な人々の心の裏が伺える。内容がミステリーなのか?何なのか少しわからなかったのであまり印象に残らない作品かも。(辛口でごめんなさい)(2002.11.24読了)

2003年の感想はこちら

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